19年11月松山旅行記その1 - 伊予鉄郊外電車

とある講義の視察で、松山に行ってきました。

羽田の朝焼け

羽田の朝焼け。僕は夜型なので旅行か徹夜でもしない限り朝焼けにお目にかかることはありませんが、段々と明るくなってくる空のもやっとした色が好きです。

松山空港に到着すると、みかんジュースタワーがお出迎え。流石かんきつ王国。

シャンパンタワーならぬ、みかんジュースタワー

さて松山市の中心部へ向かいますが、空港から市内への移動手段はバスかタクシーしかありません。一旦は松山市駅行きのバスに乗ったものの、これでは平凡すぎる…

というわけでバスを途中で降りてしまいまして、伊予鉄郡中線土居田駅へとやって来ました。

土居田駅

ここから上り松山市駅行きの電車に乗りますが、まずやってきたのは下り郡中港行きの電車でした。郡中線は単線で、この駅で行き違いが行われます。

郡中港行きの、オレンジ色に塗装された車両

伊予鉄の車両は、全面オレンジ色の塗装へと統一が進んでいます。2015年の現社長就任で始まった「IYOTETSUチャレンジプロジェクト」により、乗ってみたくなるような電車を目指して進められている施策です。確かにこれはインパクトのあるデザインですね。

一方で僕が乗ったのは、旧塗装の車両でした。オレンジ色への変更は各編成4年ごとに行う重要部検査・全般検査の際に実施しているそうなので、この車両も間もなく塗り替えられるのでしょうか。

松山市駅に到着した、旧塗装の車両
ちなみにこのデザインを見て気付いた方もいるかもしれませんが、元々は京王井の頭線で使われていた車両です。とはいえ液晶ディスプレイ式の旅客案内表示などが追加され、利便性が高められていました。

液晶ディスプレイ式の旅客案内表示

松山市駅には車椅子乗降装置も装備されていました。リモコン操作によってホーム床面がせり上がり、車体とのすき間が埋まってスロープができあがります。元々は京急で開発されたものですが、ホームドアと干渉するなど様々な理由があり、本家では撤去が進んでいるそうです。車椅子などの方を素早く案内できる良いアイデアだと思うのですが、なかなか難しいですね。

松山市駅の車椅子乗降装置

伊予鉄の郊外電車で他にも面白かったのは、乗車券です。伊予鉄には独自のICカード「い~カード」があるもののSuicaなどとの相互利用は実施しておらず、旅行客は基本的に紙のきっぷを買うことになります。その券売機がこちら。

伊予鉄郊外電車の券売機

これは…食券販売機だな!?

そしてこの券売機で購入できるきっぷがこちら。

伊予鉄郊外電車のきっぷ

うん、食券だな。いわゆる「裏の白いきっぷ」で、柔らかい普通の紙でできています。電車を降りたら改札で駅員さんに渡して出場します。

その2に続きます。

長距離きっぷのすすめ

この記事はfreee20卒内定者 季節外れのアドベントカレンダー28日目です。昨日はたいがさんの「マジ価値映画パッドマン」でした。実在の人物が基になっているのがすごいですね…!固定観念や偏見に流されない強い思いがマジ価値につながるというのは、本当にその通りだと思います。

自己紹介

4月からfreee株式会社で新卒エンジニアとしてお世話になります、ユキです。今は大学院でデータセンタの省電力化を研究しています。

freeeに入社を決めた理由はせんちゃんと同じで、「面白そう」だからです。もちろん、多くの人が苦労している経理労務管理を分かりやすく効率的にするという社会的意義も重要ですが、今まで手付かずだった中小企業の会計等のデータが集まれば、新しい面白いことが色々できるのではないかというワクワクがあります。そしてfreeeには、それを実現していけるだけの実力と柔軟さを備えた先輩達がいると感じます。自分もその一員になれるよう、努力していくつもりです。

自己紹介に話を戻すと、趣味は鉄道、あと食べることが好きです。研究が進まないときはインドカレーとか、

インドカレー

担担麺とか、

担担麺

蘭州牛肉麺で元気を出しています。パクチーが効いていておいしいです。

蘭州牛肉麺

甘いものは和菓子派です。

長距離きっぷのすすめ

さて本題…といいますか、これも趣味を語っているので自己紹介みたいなものかもしれません(^^;)

皆さんはJRで長距離を移動するとき、乗車券の「区間」に注目してみたことはありますか?窓口で行きたい駅を言えば必要なきっぷを手配してもらうことはできますが、少し制度を知っているだけで、もっときっぷを活用することができるんです。

長く乗るほどお得

JRの運賃は、基本的には距離に比例します。そして1キロあたりの運賃は、長距離ほど安くなっています。例えば本州でJRの幹線に乗る場合は、下の表で決まります。*1

距離 300キロ以下

300キロを超え

600キロ以下

600キロを超える

1キロあたりの

運賃増加額

16円20銭 12円85銭 7円05銭

ということは、長く乗れば乗るほどお得!600キロを超えてからはずっとボーナスステージみたいなものです。学割(100キロ超で適用)や往復割引(600キロ超で適用)を使えばさらに安くなります。

「そうは言っても、一般人はそんなに長く鉄道に乗り続けたら疲れるよ…」と思うかもしれません。ところが、長距離きっぷは距離とともに有効期間も長くなっていきます。*2

距離

100キロを超え

200キロ以下

200キロを超え

400キロ以下

400キロを超え

600キロ以下

きっぷの

有効期間

2日 3日 4日

つまり、例えば500キロのきっぷを1日で使い切る必要はなく、4日かけて旅行することもできるのです。その間、何度でも途中下車して駅の外に出ることができるので、経路が一筆書きである限りは複数回の移動を1枚のきっぷにまとめるといったことも可能です。

これを極めると、こうなります。東京発で東北地方の太平洋側を北上し、青森からは日本海側を南下して、山形新幹線で東京に戻るきっぷです。

東北地方を一周するきっぷ

仙台で牛タンを食べて盛岡で冷麺を食べて青森で貝焼き味噌を食べて秋田できりたんぽ鍋を食べて新庄でとりもつラーメンを食べましたが、乗車券はこれ1枚でした。東北おいしかった(小並感)。

特例を使ってダイナミックに移動

きっぷを買ってからも、特例の活用で経路を工夫することができます。例えば上で紹介した東北一周きっぷにある「東京都区内」の表示は、東京23区内のどの駅でも旅行を始めたり終えたりできることを示しています。長距離きっぷで大都市に発着する場合、このように市内の好きな駅から乗り降りできる特例が認められています。*3

この特例を使えば、いわきから東京までの運賃だけで五反田に行って、技術の力でバックオフィスに変革を起こしつつあるベンチャー企業を訪ねることができます!社名はfreeeって言うらしいんですが。

運賃計算の区間はいわきから東京までだが、その先の五反田まで乗車できる

え?おまけが東京~五反田だけではあまり嬉しくないですか?ではもう一つ特例を紹介しましょう。山手線内(と赤羽、錦糸町まで)を通過するきっぷは、その範囲内を迂回することができ、しかも途中下車も可能です。*4つまり静岡から千葉までのきっぷを使えば、五反田で途中下車して、スモールビジネスを世界の主役にするフィンテックのリーディングカンパニーに立ち寄ることができます!freeeという会社だそうで。

運賃計算の区間は静岡から千葉までで、途中の品川~錦糸町は最短距離で計算されるが、迂回して五反田で途中下車できる

ちなみにこの特例、マイナーすぎて自動改札機は対応していません。迂回中は有人改札を通る必要があります。

まとめ

好きなことを書いていたら、いったい誰が読んでくれるんだろうという記事が出来上がってしまいました…。鉄道とおいしいものへの愛は伝わっただろうから、まあいっか。

ここまで読んでくださり、ありがとうございました!内定式を楽しみにしています。

*1:

例として、東京~大阪(556.4キロ→運賃は550キロで計算)ならば

16.20 円/キロ × 300 キロ + 12.85 円/キロ × (550 キロ - 300 キロ) = 8072.5

となり、十の位を四捨五入して消費税を加えた8910円が乗車券の値段です。

*2:大都市近郊区間内のみ利用の場合を除く。

*3:https://www.jreast.co.jp/kippu/1104.html#08

*4:https://www.jreast.co.jp/kippu/1102.html#04